Glossary

プロンプトエンジニアリング用語集

生成AIとプロンプトエンジニアリングの用語を、一行の定義と短い解説でまとめました。PEP検定のシラバスの章と対応しています。

basics

基礎

14語

RLHF(人間のフィードバックによる強化学習)
人が応答の良し悪しを比較評価し、その評価から作った報酬をもとにモデルを調整する手法。
温度(temperature)
出力のランダムさを調整するパラメータ。低いほど安定し、高いほど多様な出力になる。
機械学習
データからパターンを学び、規則を人が書かずに判断できるようにする技術。AIの一分野。
コンテキストウィンドウ
LLMが一度に参照できる文章の上限(トークン数)。ここに入らない情報はモデルにとって存在しない。
事前学習
大量の文章で「次のトークンを当てる」訓練を行い、言語の一般的なパターンを学ばせる段階。
深層学習(ディープラーニング)
層を深く重ねたニューラルネットワークを使う機械学習。画像や言語で高い性能を出す。
生成AI
文章・画像・音声などを新しく作り出すAI。大量のデータから学んだパターンをもとに出力を生成する。
大規模言語モデル(LLM)
大量の文章で「次の単語を予測する」訓練を受けた巨大なニューラルネットワーク。文章の生成AIの中核。
知識の締切(カットオフ)
モデルの学習データに含まれる情報の最終時点。それ以降の出来事はモデルは知らない。
トークン
LLMが文章を扱う最小単位。単語や文字の断片で、料金やコンテキストの長さはトークン数で数える。
Transformer
2017年に登場したニューラルネットワークの構造。文中の単語同士の関係を捉える「注意機構」を持ち、現在のLLMの土台。
ニューラルネットワーク
入力に重みをかけて次の層へ渡す計算を重ねたモデル。重みを学習で調整する。
パラメータ
モデルが学習で調整する数値の総称。数が多いほど複雑なパターンを学べるが、計算コストも増える。
ハルシネーション
LLMが事実と異なる内容を、もっともらしく自信ありげに出力する現象。仕組み上ゼロにはできない。
techniques

プロンプト手法

15語

区切り文字(デリミタ)
指示と資料、複数の入力を「###」や XML タグなどで明確に分ける書き方。
構造化出力
JSONなど決まったスキーマに従った出力をモデルに強制する機能。プログラムから安全に扱える。
自己整合性(Self-Consistency)
同じ問題を複数回解かせ、多数決で答えを決める手法。推論の揺れを減らす。
システムプロンプト
会話全体に適用される前提の指示。役割・ルール・出力形式などを固定するために使う。
出力形式の指定
箇条書き・表・JSONなど、出力の形を明示すること。後工程での利用や評価が楽になる。
Zero-shot プロンプティング
例を示さずに指示だけで作業させる方法。単純な作業や、モデルが十分に理解している作業に向く。
Chain of Thought(思考の連鎖)
結論の前に途中の考え方を書かせることで、計算や多段の推論の精度を上げる手法。
Few-shot プロンプティング
望む出力の例を数個示して、形式や判断基準を学ばせる方法。分類やフォーマット変換に向く。
プロンプト
生成AIに与える指示や入力文の総称。目的・文脈・制約・出力形式を含めると精度が上がる。
プロンプトエンジニアリング
生成AIから望む出力を安定して引き出すために、指示や文脈を設計・評価・改善する技術。
プロンプトテンプレート
業務ごとに固定した指示の型。変数部分だけを差し替えて再利用する。
プロンプトの評価
出力を決めた基準で採点し、プロンプトを改善する手順。基準が無いと改善できない。
プロンプトライブラリ
組織で使うプロンプトの型を一覧化し、評価結果とともに共有・更新する仕組み。
メタプロンプティング
プロンプトそのものをAIに作らせたり改善させたりする手法。
役割指定(Role Prompting)
「あなたは〜の専門家です」と立場を与え、語彙や注意点の傾向を寄せる手法。
models

モデル・技術

14語

アラインメント
モデルの振る舞いを人間の意図や価値観に沿わせる取り組みの総称。
埋め込み(Embedding)
文章の意味を数値のベクトルに変換したもの。意味が近い文章はベクトルも近くなる。
API
プログラムから生成AIを呼び出すための接続口。業務システムやワークフローに組み込むときに使う。
オープンウェイトモデル
学習済みの重み(パラメータ)が公開され、自社環境で動かせるモデル。
指示チューニング
「指示と望ましい応答」の組でモデルを追加学習させ、人の指示に従えるようにする段階。
蒸留・量子化
大きなモデルを小さく軽くする手法。蒸留は振る舞いを写し取り、量子化は数値の精度を落とす。
推論(Inference)
学習済みのモデルが入力に対して出力を生成すること。学習(トレーニング)と対になる言葉。
チャンキング
長い文書を検索しやすい大きさに分割すること。分け方がRAGの精度を左右する。
PEFT / LoRA
元の重みをほぼ据え置き、小さな追加部分だけを学習する軽量なファインチューニング。
ファインチューニング
追加のデータでモデルの重みを更新し、口調や出力形式、専門領域の言い回しを固定する手法。
ベクトルデータベース
埋め込みベクトルを保存し、意味の近い文書を高速に探すためのデータベース。
マルチモーダル
文章だけでなく画像・音声・動画など複数の種類の入出力を1つのモデルで扱えること。
RAG(検索拡張生成)
質問に関連する文書を検索してプロンプトに差し込み、それを根拠に答えさせる仕組み。社内知識や最新情報に強い。
リランキング
検索で得た候補を、質問との関連度で並べ直す工程。RAGの精度を上げる。
agents

エージェント・RAG

9語

AIエージェント
目標を与えると、自分で手順を組み立ててツールを使いながら作業を進めるAI。自律性・ツール利用・反復が特徴。
エージェントのメモリ(状態管理)
長い作業で「何をして何が分かったか」を保持する仕組み。履歴の要約や外部への保存を含む。
エージェントループ
認知 → 判断 → 実行 → 結果の認知を、目標達成まで繰り返すエージェントの基本動作。
MCP(Model Context Protocol)
AIモデルと外部のツール・データ源をつなぐための共通規格。ツールを一度作れば複数のAIから使える。
ガードレール
AIの入出力を検査し、危険な操作や不適切な出力を止める仕組み。エージェント運用に必須。
コンテキストエンジニアリング
モデルに渡す情報全体(指示・履歴・文書・ツール定義)を、何を・どの順で・どれだけ渡すかという観点で設計する技術。
ツール利用
エージェントが検索・計算・API・ファイル操作などの外部機能を呼び出して作業を進めること。
ヒューマン・イン・ザ・ループ
AIの作業の要所に人の確認・承認を組み込む設計。重要度が高い操作ほど人の関与を厚くする。
Function Calling(ツール呼び出し)
モデルに使えるツールの定義を渡し、必要なときに構造化された呼び出しを返させる仕組み。実行はプログラム側が行う。
ethics

倫理・法務・リスク

12語

EU AI Act(EU AI法)
EUのAI規制。用途のリスクに応じて4段階に分け、高リスクほど厳しい義務を課す。
AIガバナンス
組織としてAIの利用ルール・責任・監査の仕組みを整えること。ガイドラインは随時更新される。
AI事業者ガイドライン
日本政府がまとめたAI事業者向けの指針。開発・提供・利用の立場ごとに留意点を示す。
AI推進法
日本のAI関連の基本法。国や事業者の役割を定め、研究開発と活用の推進を図る。
AIバイアス
学習データの偏りが出力に反映され、特定の属性に不利な判断や表現が混ざること。検証しないと見えない。
学習データの利用設定(オプトアウト)
入力した内容がサービス側の学習に使われるかどうかの設定。業務利用では必ず確認する。
個人情報・機密情報の入力管理
生成AIに入力してよい情報の範囲を決め、匿名化・マスキングをしてから渡す運用。
個人情報保護法
個人情報の取り扱いを定める日本の法律。個人データをAIサービスに入力する行為の整理(第三者提供・委託)が論点になる。
ジェイルブレイク
安全のための制限を回避するよう仕向ける入力。サービス提供者は検知と対策を継続する。
生成AIと著作権
学習段階の利用と、生成物が既存の著作物に似ているかが論点。実務では著作物をそのままプロンプトに入力しない。
透明性
AIが関与したこと、どの根拠で出力したかを相手に示せる状態。対外文書では表示ルールを決める。
プロンプトインジェクション
外部の文章に仕込まれた指示でAIの挙動を乗っ取る攻撃。外部文章は「指示ではなくデータ」として扱うのが対策の基本。
business

業務活用

5語

生成AIによる業務変革
生成AIを個人の効率化にとどめず、業務の流れと役割分担を設計し直すこと。
生成AIリテラシー
生成AIの仕組み・得意不得意・リスクを理解し、業務で安全に使いこなす力。
PEP検定(Prompt Engineering Professional)
日本プロンプトエンジニアリング協会が実施する、プロンプト設計・評価・応用スキルの認定試験。CBT・100問60分・随時受験。
要約
文章の要点を短くまとめる作業。誰が何のために読むかで残す情報が変わる。
ワークフロー自動化
入力 → 生成 → 保存・通知のような定型の流れを、ツールで人手なしに回すこと。