ファインチューニングとは

ファインチューニングは、すでに学習済みのモデルに自社のデータを追加で学習させ、モデルの重み(パラメータ)を更新する手法です。プロンプトで毎回指示しなくても、決まった振る舞いをするモデルを作れます。

学習データは「入力と望ましい出力」の組を数百件以上そろえるのが一般的です。たとえば問い合わせ文と、模範となる回答文の組です。モデルはこの組から、口調・形式・判断の傾向を身につけます。

向いているのは、出力の口調や形式、分類の基準など「振る舞い」を安定させたいときです。逆に、新しい事実を覚えさせる用途には向きません。規程や商品情報のように頻繁に変わる知識は、RAG で検索して渡すほうが更新も確認も簡単です。

実務では、まずプロンプトの工夫と RAG で目標に届くかを試します。それでも足りないときに、データ準備と費用をかけてファインチューニングを検討する順番が安全です。

具体例

問い合わせ回答の口調をそろえる

コールセンターの回答案を生成AIで作ると、担当者ごとにプロンプトが違い、口調がばらつきました。過去の模範回答を集めて学習させたところ、短い指示でも自社らしい敬語と構成で回答案が出るようになりました。商品の仕様は RAG で渡し、学習には含めていません。

社内文書の分類

申請書を「経費・人事・購買・その他」に振り分ける作業で、プロンプトだけでは境界の判断が揺れました。過去に人が分類した結果を学習データにすると、社内の基準に沿った分類が安定しました。分類結果と理由を一緒に学習させると、担当者が判断の目安を確かめやすくなります。