エージェント・RAG

AIエージェント

目標を与えると、自分で手順を組み立ててツールを使いながら作業を進めるAI。自律性・ツール利用・反復が特徴。

AIエージェントとは

AIエージェントは、目標を与えると自分で手順を考え、検索・計算・社内システムの操作などのツールを使いながら、目標を達成するまで作業を進める仕組みです。一問一答で答えを返す対話型AIと違い、複数の段階を自律的にこなします。

中身は、大規模言語モデル(LLM)と、モデルが使えるツール群の組み合わせです。モデルが次の行動を決め、プログラムがツールを実行し、その結果をモデルに返します。これを繰り返して作業を前に進めます。

実務で重要なのは、任せる範囲の設計です。目的・使ってよい情報・やってはいけない操作・完了の条件を最初に決めます。送信・削除・支払いのように取り消せない操作の前には、人の承認を入れます。

指示が曖昧なまま任せると、誤った判断の上に作業が積み重なります。最初は調査やまとめなど、失敗しても影響の小さい作業から始めるのが安全です。

具体例

競合調査のたたき台づくり

「競合3社の新サービスを調べ、価格と対象顧客を表にまとめる」と指示します。エージェントは各社のサイトを検索し、情報を読み、足りない項目を追加で調べて表を作ります。担当者は出典リンクを確かめて仕上げるだけになります。調べた範囲と、見つからなかった情報も報告させると、抜けを見つけやすくなります。

任せ方の指示

目的と制約、完了条件をはっきり書くと、エージェントの迷走を防げます。

悪い例

来週の会議の準備をしておいて。

良い例

目的:来週火曜の営業会議の資料準備。 作業:先月の受注データを集計し、前月比の表と要点3行を作る。 使ってよい情報:共有フォルダ「営業/2026」内のファイルのみ。 禁止:メール送信、ファイルの削除。 完了条件:集計表と要点を1つの文書にまとめ、保存先を報告する。

よくある誤解

AIエージェントに任せれば人の確認はいらなくなる。

自律的に動くほど、誤りが連鎖したときの影響は大きくなります。重要な操作の前の承認や、結果の確認は欠かせません。人の役割は作業者から、指示と確認をする監督者に変わります。

エージェントは特別なAIモデルのことだ。

多くの場合、使うモデルは対話型AIと同じです。違いは、ツールを呼び出して結果を受け取り、次の行動を決める仕組みを周りに組んでいる点にあります。

難しい作業ほどエージェントに向いている。

向いているのは、手順が多くても、結果の正しさを確かめやすい作業です。判断の基準が人によって違う作業や、誤りの影響が大きい作業は、人が担う部分を残して設計します。

エージェントループ

エージェントループは、AIエージェントの基本動作です。状況を把握し、次の行動を判断し、ツールを実行し、その結果をまた把握する、という流れを目標達成まで繰り返します。止まらない、同じ作業を繰り返す、危険な操作をする、といった失敗を防ぐため、繰り返しの上限回数と、人の承認が必要な場面をあらかじめ決めておきます。各回の判断と実行結果を記録に残すと、失敗の原因を後から追えます。

エージェントのメモリ(状態管理)

エージェントのメモリは、長い作業の途中で「何をして、何が分かったか」を保持する仕組みです。モデルが一度に読める量には上限があるため、会話履歴を要約したり、ファイルやデータベースに記録したりして、必要なときに読み戻します。数日に分かれる作業や、何十回もツールを使う作業で必要になります。何を残し何を捨てるかの設計は、コンテキストエンジニアリングの一部です。古い情報が残り続けると誤りの元になるため、更新と削除の規則も決めます。

PEP検定での位置づけ

この用語は PEP検定 シラバス第6章「AIエージェントとコンテキストエンジニアリング」の範囲です。

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用語を「使える力」にする

PEP検定は、こうした用語を実務のプロンプト設計と評価に結びつける力を測ります。練習問題で確かめてみてください。