AI推進法とは
AI推進法は、正式名称を「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」といい、日本で初めてAI全般を対象にした法律です。政府は「AI法」と呼んでいます。2025年5月28日に成立し、6月4日に公布・一部施行、9月1日に全面施行されました。
中身の柱は二つです。一つは、内閣総理大臣を本部長とし全閣僚で構成する「AI戦略本部」の設置です。もう一つは、政府が取り組む施策の方針をまとめた「人工知能基本計画」の策定です。基本計画は2025年12月に閣議決定され、2026年7月に改定されました。
このほか、国際的な規範に沿った指針の整備や、権利を侵害する事案の情報収集・調査、事業者への指導・助言・情報提供が定められています。事業者には、国などの施策に協力する責務があります。
罰則の規定はありません。ただし、既存の個人情報保護法や著作権法などは、これまでどおり適用されます。実務では、この法律の下で整備される指針と既存の法律を併せて確認します。
具体例
社内のAI利用規程を見直す
AI推進法そのものに罰則はありませんが、規程を作らなくてよいわけではありません。総務部は、政府のAI事業者ガイドラインを土台に、入力してよい情報の範囲、生成物の確認手順、問題が起きたときの報告先を定めます。法律の全面施行や基本計画の改定など、政府の動きがあった時点で規程を点検する、と運用ルールに書いておくと更新が漏れません。
取引先から「AI法への対応状況」を聞かれた
罰則のある義務はないため、「対応済み」の証明書のようなものはありません。答えるべきは、国の施策への協力姿勢と、個人情報保護法・著作権法などの既存法令への対応、ガイドラインに沿った社内体制です。この三点を一枚にまとめておくと、問い合わせに素早く答えられます。