大規模言語モデル(LLM)とは

大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)は、膨大な量の文章を学習した、巨大なニューラルネットワークです。ニューラルネットワークとは、脳の神経回路をまねた計算の仕組みのことです。対話型の生成AIサービスの多くは、LLMを中核にしています。

LLMの基本の訓練は「次に来る言葉を予測する」ことです。文章をトークンという細かな単位に分け、続きを確率で当てる練習を大量に繰り返します。その結果、文法や言い回しだけでなく、要約・翻訳・推論のような力も身につきます。多くのLLMは、Transformer という仕組みを土台にしています。

事前学習の後、人の指示に従うように追加の調整(指示チューニングやRLHF)が行われます。これにより、「〜して」と頼むと応える対話型のモデルになります。

実務で知っておきたいのは、LLMが「確率で文章を作っている」点です。もっともらしい誤り(ハルシネーション)が混ざることがあり、学習時点より新しい情報は知りません。得意なことと苦手なことを分けて使うのが、活用の第一歩です。

具体例

得意な作業と苦手な作業を分ける

LLMが得意なのは、言い換え、要約、分類、文章の型への当てはめなど、渡した文章の中で完結する作業です。一方、最新の数値、社内の固有の情報、正確な計算は苦手です。苦手な部分は、資料を一緒に渡す(RAG)、計算はツールに任せる、などで補います。たとえば「この契約書の条文を、営業向けに3行で要約して」は得意な依頼です。「来月の為替レートを教えて」は苦手な依頼です。

社内での使い方を決める

LLMを業務で使うときは、入力してよい情報の範囲を先に決めます。顧客の個人情報や未公開の数値を入れてよいかは、契約やサービスの設定で変わります。利用規程を作り、学習に使われない設定を確かめてから使い始めます。