知識の締切(カットオフ)とは

知識の締切(knowledge cutoff)は、モデルの学習データがいつまでの情報を含んでいるかを示す時点です。それ以降の出来事や、更新された事実をモデル自身は知りません。

締切が生まれるのは、モデルの知識が事前学習の時点で固定されるためです。学習を終えたモデルは、利用中に新しいニュースや法改正を自動で取り込むことはありません。新しいモデルが公開されるまで、知識はその時点のままです。

締切より後の情報を聞くと、モデルは「知らない」と答えることもあれば、古い情報をもとにもっともらしく答えることもあります。後者はハルシネーションの原因の一つです。最近の出来事を扱う業務では、締切を確認し、検索やRAGで最新の情報を外から渡す設計にします。

検索機能を備えたサービスでは、質問に応じてウェブを検索し、その結果をもとに答える場合があります。このときも、どの情報源を参照したかを確かめる習慣が大切です。

具体例

法改正の内容を確認する

「最新の改正個人情報保護法のポイントは?」と聞くと、締切より後の改正は反映されていない可能性があります。社内の規程づくりに使うときは、官公庁の公式ページを検索で確かめるか、資料を添付して「この資料に基づいて答えてください」と依頼します。

競合の動向を調べる

競合他社の新製品について聞くと、古い製品の情報が最新のように語られることがあります。市場調査では、検索機能を使って日付の入った情報源を示させ、発表日を自分で確認します。

社内のAI利用ガイドに書いておく

社員向けの利用ガイドに「AIの回答は学習時点までの情報に基づく。日付や制度に関わる内容は、公式の情報源で確認する」と一文入れておきます。締切の存在を知らずに古い情報を使ってしまう事故を、仕組みで防げます。